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理念と指針

当院の理念

人の為

“人”というのは患者さん並びにそのご家族のみならず、私のクリニックのスタッフとその家族、ひいては在宅医療に関与される人々を意味し、広く多くの人々の幸福を追求するためにわれわれは在宅医療を行います。

道の為

“道”とは定義することが難しく、人それぞれに思いを抱いてはいるもののなかなか一言では言い尽くせません。
私はこの言葉を私の恩師から頂いたときに、この言葉の重みを感じ、医師の道、人の道に恥じないような生き方をしなければならないと感じました。
在宅医療を積み重ねていくうえで、道の意味を少しでも深く理解し道を究めるためにわれわれは邁進します。

学問の為

在宅医療は新しい分野ですので、今後いろんな方向へ発展していくと考えられますが、その場限りの根拠のない医療では広く人々に受け入れられません。
学術的根拠を常に念頭に置きつつ在宅医療を実践し、医学生、研修医の教育を通して良き在宅医の育成並びに在宅医療の普及に貢献します。

適切な意思決定支援に関する指針

1.目的
本人の意思を確認し、その人が「大事にしてきたこと、大切にしたいこと」を重視した医 療を提供し、希望する生活を可能な限り支えるため、生きる力を引き出し、最期まで本人らしい人生を支えることを目的とします。

2.意思決定支援に求められる理念
 a)患者さんの為
 b)患者さんのご家族の為
 c)道の為

3.在宅療養に即した意思決定支援の留意点
上記の理念に基づく意思決定支援を行います。
患者さんの人生観や価値観を大切にして、ご家族のお気持ちも確認しつつ後悔がのこらない医療を努めます。

生き方・逝き方の図(図1)に示すように、歩けなくなり、食べられなくなり、呼吸が困難になり、血圧が下がり、意識が低下して永眠されることは、人生の最終段階では自然な経過であることを説明します。特に点滴、栄養摂取に関しては「経口摂取が困難になった場合の栄養方法」について(図2)の内容を説明し、必要時には疼痛コントロールは行いますが、それ以外の医療の介入は必要最小限にとどめたほうが良いことを理解して頂きます。
患者さん、患者さんのご家族、医療者それぞれが、各々の道に沿った生き方ができるよう努めます。

<図1>


<図2>
「経口摂取が困難になった場合の栄養方法」について

4.本人の意思確認
本人の意思決定能力は個々により違いがあります。

 a)本人の意思の確認ができる場合
治療方針の決定に際し、患者が意思決定を行います。 時間の経過、病状の変化に応じて、患者の意思が変化するものであるので、その都度、本人の意思の再確認を行います。

 b)本人の意思の確認ができない場合
①家族等が本人の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重。
②家族等が本人の意思を推定できない場合には、本人にとって何が最善であるかについて家族等と十分に話し合い、本人にとっての最善の治療方針をとることを基本とします。
③家族等がいない場合及び家族等が判断を医療・ケアチームに委ねる場合には、医学的妥当性に基づき、本人にとっての最善の治療方針をとることを基本とします。

5.まとめ
意思決定支援においては、正解は無く、各人の多様な意思を尊重しながら支援していくことに努めます。

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